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本のカギはこれだ

本が好きなので、文庫本が山ほどある。
ほとんどの小説は、まずはハードカバーで出版されるのだが、当たり前の話、これが高い。 少し高価な翻訳ものだとすると、2000円をオーバーする事もざらである。
小説は数ページ読んだ所で面白いかどうかはわからない。 ハードカバーを買うという行為は、それだけ大きなバクチなのである。
それに比べると、文庫の気軽さは非常に助かる。 せいぜい数百円。
うんと頑張っても1000円である。 仮に、大して趣味に合わない本だとしても、文庫ならばその傷も少ない。
気軽に買う事が出来るのだ。 最近では、駅のホームで、文庫本の自動販売機もある。
文庫本は気軽に買うものである、という事の証明かもしれない。 ジュースなどと同じ扱いなのだ。

文庫本は小さい、というのもありがたい点だ。 自分は小説を、移動中にしか読まないので、ハードカバーの大きさはどうしてもネックになる。
特に旅行。 長い旅行で数冊の本を持っていくと、その差は歴然。
文庫本のありがたさを知るのである。 少しうらやましいと思うのは、海外のペーパーバックと呼ばれる形式の本である。
漫画雑誌の紙質で、小説を印刷していると考えるとわかりやすいかもしれない。 日本の文庫よりも一段下のような扱いで、荒い紙に印刷された、読み捨て御免のような本なのだ。
気軽に買って、気軽に読んで、気軽に捨てていく、という、自分にとっては羨ましい本だ。 日本にはまだ、読み捨てのような考え方は浸透していない。
というより、これから先も浸透しないのかもしれない。 間口を広げるという意味でも、必要なものだと思うのだがどうだろう。
文庫の密かな良さは、「背表紙が同じスタイルのものがある」という事だと思っている。 同じ会社の文庫であれば、背表紙の色が同じで、本棚に並べた時に非常に美しい。

ハードカバーではこうはいかない。 同じ色が揃っていく感覚は、コレクションにも似て、非常に満足感を感じてしまうのである。

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